大浦湾アオサンゴ群集 天然記念物指定を求める陳情書

日本自然保護協会は、私の所属する名護東海岸エコツーリズム推進協議会、二見以北十区の会、とともにが沖縄県に大浦湾アオサンゴ群集の天然記念物指定を求める陳情書を提出しました。

以下 内容です。

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大浦湾チリビシのアオサンゴ群集の天然記念物指定を求める陳情書

 

 名護市東海岸エコツーリズム推進協議会 代表 島袋 正敏

北限のジュゴン調査チーム・ザン 代表 鈴木 雅子

ヘリ基地いらない二見以北十区の会 代表   浦島 悦子

 代表 渡具知 智佳子

 公益財団法人 日本自然保護協会 理事長 亀山 章

 

 

私たちは辺野古・大浦湾の生物多様性豊かな自然環境の保全に長期にわたり取り組んでおり、その立場から意見を述べます。

 

20079月に発見された名護市大浦湾のチリビシのアオサンゴ群集は、長さ50m、幅30m、高さ14mに達するもので、単一の種からなるサンゴ群集がこのような規模になるのはこれまで報告例がなく、大変貴重なものです。

 

滝野ら(2008)の研究によると、チリビシのアオサンゴ群集の遺伝子型と石垣島・白保のアオサンゴ群集の遺伝子型は異なり、またこの群集は全体が同じ遺伝子型であり、性別が雄である(山城、2015)ということが明らかになりました。201712月には新たに、最新の遺伝子解析の結果が判明し、同群集は勝連半島のアオサンゴ群集と異なる遺伝子型であることがわかりました。同じ沖縄島周辺に位置する勝連半島のアオサンゴ群集とも遺伝子型が異なるということは、大浦湾に存在するものがかけがえのない唯一無二のものであることが示唆されます。

 

2016年以降、夏になると気候変動の影響で、サンゴの白化が広範囲に起こり、大浦湾一帯のサンゴ群集は大きな影響を受けました。チリビシのアオサンゴ群集も白化しましたが、秋には無事にもとの状態に戻りました。しかし同じ海域で大規模な工事が進み気候変動も激しくなるなか、いつまでも健全な状態を保てる保証はありません。

 

 琉球列島のサンゴ礁が危機的にあるなかで、チリビシのアオサンゴ群集は世界的にも貴重で普遍的な価値を持ち続けています。唯一無二のこのアオサンゴを天然記念物として保全していくことは、将来的に観光資源としても有益であり、沖縄の特性を全国にアピールすることにもなります。天然記念物として早期に積極的に保護し、次世代へ引き継ぐべきであると考えます。